○青森県職員の職務発明等に関する規程

平成十年三月二十五日

青森県訓令甲第四号

庁中一般

各出先機関

青森県職員の職務発明等に関する規程

(趣旨)

第一条 この規程は、知事部局の職員(以下「職員」という。)がその勤務に関連してした発明、考案及び意匠の創作の取扱いについて必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第二条 この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 発明等 特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第二条第一項に規定する発明、実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第二条第一項に規定する考案及び意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第二条第一項に規定する意匠の創作をいう。

 職務発明等 発明等で、その性質上県の業務範囲に属し、かつ、その発明等をするに至った行為が職員の現在又は過去の職務に属するものをいう。

(発明等の届出)

第三条 職員は、その勤務に関連して発明等をしたときは、速やかに、勤務発明等届(第一号様式)に次に掲げる書類(第七条第二項の規定による届出をしている場合にあっては、第一号に掲げる書類を除く。)を添えて、所属長を経由して知事に届け出なければならない。この場合において、当該発明等が二人以上の職員の共同によりなされたときは、これらの者が共同して届け出なければならない。

 発明等の内容を詳細に記載した書類

 発明等をするに至った経過を詳細に記載した書類

 発明等が二人以上の職員の共同又は職員以外の者との共同によりなされた場合にあっては、当該発明等に対する権利の持分の割合及びその根拠を記載した書類

2 所属長は、前項の規定による届出があったときは、所属長意見書(第二号様式)を添えて、当該届出に係る書類を知事に提出しなければならない。

(職務発明等の認定及び特許を受ける権利等の承継の決定)

第四条 知事は、前条第一項の規定による届出があったときは、当該届出があった日から起算して十四日以内に、当該届出に係る発明等が職務発明等であるかどうかを認定するものとする。

2 知事は、前項の規定により職務発明等であると認定したときは、速やかに、当該職務発明等に係る特許を受ける権利、実用新案登録を受ける権利若しくは意匠登録を受ける権利(以下「特許等を受ける権利」という。)又は特許権、実用新案権若しくは意匠権(以下「特許権等」という。)を承継するかどうかを決定するものとする。

3 知事は、第一項の規定による認定又は前項の規定による決定をしたときは、速やかに、前条第一項の規定による届出をした者(以下「届出者」という。)に対し、認定・決定通知書(第三号様式)により通知するものとする。

(職務発明に係る特許を受ける権利等の譲渡の義務)

第五条 届出者は、前条第二項の規定による特許等を受ける権利又は特許権等を承継する決定があったときは、当該特許等を受ける権利又は特許権等を譲渡書(第四号様式)により県に譲渡しなければならない。

(承継した特許を受ける権利の特許出願等)

第六条 知事は、前条の規定により特許等を受ける権利又は特許権等を承継したときは、速やかに、次の各号に掲げる特許等を受ける権利又は特許権等の区分に応じ、当該各号に掲げる手続をするものとする。

 特許を受ける権利 特許法第三十六条の規定による特許出願(以下「特許出願」という。)又は同法第三十四条第四項の規定による特許を受ける権利の承継の届出

 実用新案登録を受ける権利 実用新案法第五条の規定による実用新案登録出願(以下「実用新案登録出願」という。)又は同法第十一条第二項において準用する特許法第三十四条第四項の規定による実用新案登録を受ける権利の承継の届出

 意匠登録を受ける権利 意匠法第六条の規定による意匠登録出願(以下「意匠登録出願」という。)又は同法第十五条第二項において準用する特許法第三十四条第四項の規定による意匠登録を受ける権利の承継の届出

 特許権 特許法第九十八条第一項第一号の規定による特許権の移転の登録

 実用新案権 実用新案法第二十六条において準用する特許法第九十八条第一項第一号の規定による実用新案権の移転の登録

 意匠権 意匠法第三十六条において準用する特許法第九十八条第一項第一号の規定による意匠権の移転の登録

2 知事は、前項第一号に掲げる手続をした場合において必要があると認めるときは、特許法第四十八条の三第一項の規定による出願審査の請求をするものとする。

(発明者の特許出願等の制限)

第七条 勤務に関連して発明等をした職員(以下「発明者等」という。)は、当該発明等について、第四条第一項の規定による職務発明等でない旨の認定又は同条第二項の規定による特許等を受ける権利を承継しない決定があるまで、特許出願、実用新案登録出願又は意匠登録出願(以下「特許出願等」という。)をしてはならない。ただし、緊急に特許出願等をする必要があると認められる場合にあっては、この限りでない。

2 発明者等は、前項ただし書の規定により特許出願等をしたときは、速やかに、個人特許出願等届(第五号様式)に当該特許出願等に係る書類の写しを添えて、所属長を経由して知事に届け出なければならない。

3 第三条第一項後段の規定は、前項の規定による届出について準用する。

(発明者の権利譲渡等の制限)

第八条 発明者等は、当該発明等について、第四条第一項の規定による職務発明等でない旨の認定又は同条第二項の規定による特許等を受ける権利又は特許権等を承継しない決定があるまで、特許等を受ける権利又は特許権等を県以外の者に譲渡し、又は県以外の者に特許法第二条第三項、実用新案法第二条第三項又は意匠法第二条第二項に規定する実施(以下「実施」という。)を許諾し、若しくは自ら実施をしてはならない。

(令二訓令甲三・一部改正)

(補償金)

第九条 知事は、第五条の規定により特許等を受ける権利又は特許権等の譲渡をした者(以下「譲渡者」という。)に対し、補償金を支払うものとし、その種類は、次のとおりとする。

 出願補償金

 登録補償金

 実施補償金

 費用補償金

2 出願補償金は、発明等について第六条第一項の規定により同項第一号から第三号までに掲げる手続をした場合に、次の各号に掲げる特許等を受ける権利の区分に応じ、当該各号に定める金額を支払うものとする。

 特許を受ける権利 一件につき 一万円

 実用新案登録を受ける権利 一件につき 五千円

 意匠登録を受ける権利 一件につき 五千円

3 登録補償金は、次の各号に掲げる場合に、当該各号に定める金額を支払うものとする。

 第六条第一項の規定により同項第一号から第三号までに掲げる手続をした発明等について特許法第六十六条第二項に規定する特許権の設定の登録、実用新案法第十四条第二項に規定する実用新案権の設定の登録又は意匠法第二十条第二項に規定する意匠権の設定の登録があった場合 当該特許権等の区分に応じ次に掲げる金額

 特許権 一件につき 二万円

 実用新案権 一件につき 一万円

 意匠権 一件につき 一万円

 特許権等について第六条第一項の規定により同項第四号から第六号までに掲げる手続をした場合 当該特許権等の区分に応じ次に掲げる金額

 特許権 一件につき 三万円

 実用新案権 一件につき 一万五千円

 意匠権 一件につき 一万五千円

4 発明等が職員以外の者との共同によりなされたものである場合の出願補償金又は登録補償金の額は、前二項の規定にかかわらず、これらの規定に規定する金額に県の当該発明等に対する権利の持分の割合を乗じて得た金額とする。

5 実施補償金は、第五条の規定により県が承継した特許等を受ける権利若しくは特許権等(同条の規定により県が承継した特許等を受ける権利に基づき受けた特許権等を含む。以下この項において同じ。)に係る発明等の実施の許諾又は当該特許等を受ける権利若しくは特許権等の譲渡により収入を得た場合に、毎年一月一日から十二月三十一日までの間の収入について、次の各号に掲げる収入の区分に応じ、当該各号に定める金額を翌年五月三十一日までに支払うものとする。

 特許等を受ける権利又は特許権等に係る発明等の実施の許諾による収入 毎年一月一日から十二月三十一日までの間に得た当該特許等を受ける権利又は特許権等に係る発明等の実施の許諾による収入の額の合計額を次の表の上欄に掲げる金額に区分し、当該金額に同表の下欄に掲げる率を乗じて得た額を合計して得た金額

百万円以下の部分の金額

百分の五十

百万円を超える部分の金額

百分の二十五

 特許等を受ける権利又は特許権等の譲渡による収入 当該収入の額に百分の五十を乗じて得た金額

6 第二項から前項までの規定による補償金の金額が、特許法第三十五条第四項(実用新案法第十一条第三項及び意匠法第十五条第三項において準用する場合を含む。)に規定する相当の利益でないと認められるときは、第二項から前項までの規定にかかわらず、特許法第三十五条第七項(実用新案法第十一条第三項及び意匠法第十五条第三項において準用する場合を含む。)に規定するところにより補償金の金額を定めるものとする。

7 特許等を受ける権利又は特許権等につき譲渡者が二人以上ある場合の第二項から前項までの規定による補償金の支払は、当該譲渡者が当該発明等に対して有していた権利の持分の割合に応じて行うものとする。

8 費用補償金は、第五条の規定により県が承継した特許等を受ける権利又は特許権等について譲渡者が既に当該発明等に係る特許出願等に要する費用を支出している場合に、当該譲渡者の申出により、当該費用に相当する額のうち必要と認める金額を支払うものとする。

9 知事は、補償金の支払額を決定したときは、速やかに、譲渡者に対し、補償金決定通知書(第六号様式)により通知するものとする。

(平一九訓令甲一六・平二八訓令甲二・一部改正)

(退職した場合の補償等)

第十条 知事は、補償金の支払を受けるべき譲渡者が退職したときは、別に定めるところにより、前条の規定に準じて補償金に相当する金額の支払をする旨の契約を当該退職をした者と取り交わすものとする。

2 補償金又は前項の補償金に相当する金額の支払を受けるべき者が死亡したときは、その相続人は、その旨を知事に届け出るものとする。

(異議申立て)

第十一条 第四条第一項の規定による発明等が職務発明等であるかどうかの認定、同条第二項の規定による特許等を受ける権利若しくは特許権等を承継するかどうかの決定又は第九条第一項から第八項までの規定による補償金の支払額の決定に異議がある者は、第四条第三項又は第九条第九項の規定による通知があった日から起算して三十日以内に、知事に対し、異議申立書(第七号様式)により異議申立てをすることができる。

2 知事は、前項の規定による異議申立てがあったときは、当該異議申立てがあった日から起算して六十日以内に、当該異議申立てに対する決定を行い、当該決定の内容を当該異議申立てをした者に通知するものとする。

(青森県職務発明等審査会の意見の聴取)

第十二条 知事は、次の各号のいずれかに該当するときは、あらかじめ、青森県職務発明等審査会の意見を聴くものとする。

 第四条第二項の規定による特許権等を承継するかどうかの決定を行おうとするとき。

 第六条第二項の規定による出願審査の請求をしようとするとき。

 第十一条第二項の規定による異議申立てに対する決定を行おうとするとき。

2 前項に規定するもののほか、知事は、必要に応じ、職務発明等に関する事項について青森県職務発明等審査会の意見を聴くものとする。

(平一三訓令甲三九・平一九訓令甲一六・一部改正)

(秘密の保持)

第十三条 発明者等その他の関係職員は、その職務上知り得た発明等に関する事項について、特許法第六十四条第一項の規定による出願公開がなされる等発明者等及び県の利害に影響を及ぼすことがなくなるときまで、その秘密を守らなければならない。

(施行事項)

第十四条 この規程の施行に関し必要な事項は、別に定める。

1 この訓令は、平成十年四月一日から施行する。

2 次項に定めるものを除き、この訓令の規定は、この訓令の施行の日(以下「施行日」という。)以後に職員がその勤務に関連してした発明等について適用する。

3 施行日前に職員がその勤務に関連してした発明等(施行日前に県が当該発明等に係る特許等を受ける権利又は特許権等を承継したものを除く。)は施行日において発明等がなされたものと、施行日前に職員がその勤務に関連してした発明等で施行日前に県が当該発明等に係る特許等を受ける権利又は特許権等を承継したものは施行日において県が第五条の規定により当該発明等に係る特許等を受ける権利又は特許権等を承継したものとみなして、この訓令の規定を適用する。

4 前項の場合における第九条の規定の適用については、同条第二項及び第三項中「ついて」とあるのは「ついて平成十年四月一日以後に」と、同条第五項中「収入を」とあるのは「平成十年四月一日以後に収入を」と、「一月一日」とあるのは「一月一日(平成十年にあっては、四月一日)」とする。

(平成一三年訓令甲第三九号)

この訓令は、公表の日から施行する。

(平成一九年訓令甲第一六号)

1 この訓令は、平成十九年四月一日から施行する。ただし、第九条第六項の改正規定は、公表の日から施行する。

2 改正後の青森県職員の職務発明等に関する規程第九条第五項第一号の規定は、平成十九年一月一日以後の収入に係る実施補償金について適用する。

(平成二八年訓令甲第二号)

この訓令は、平成二十八年四月一日から施行する。

(令和元年訓令甲第四号)

この訓令は、令和元年七月一日から施行する。

(令和二年訓令甲第三号)

この訓令は、令和二年四月一日から施行する。

(令元訓令甲4・一部改正)

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(令元訓令甲4・一部改正)

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青森県職員の職務発明等に関する規程

平成10年3月25日 訓令甲第4号

(令和2年4月1日施行)

体系情報
第6編 商工労働/第1章 工/第5節 知的財産
沿革情報
平成10年3月25日 訓令甲第4号
平成13年7月30日 訓令甲第39号
平成19年3月30日 訓令甲第16号
平成28年3月18日 訓令甲第2号
令和元年6月28日 訓令甲第4号
令和2年3月13日 訓令甲第3号