○青森県障がい者の意思疎通手段の利用の促進に関する条例
令和二年三月二十七日
青森県条例第三号
〔青森県障害者の意思疎通手段の利用の促進に関する条例〕をここに公布する。
青森県障がい者の意思疎通手段の利用の促進に関する条例
(令六条例三・改称)
全ての人々が等しく人権を尊重され、障がいのある人もない人も共に支え合う中で、その人らしく自立して、安心して暮らすことができる共生社会の実現は、私たちの願いである。
この共生社会の実現には、全ての障がい者にとって、社会を構成する一員としてあらゆる分野の活動に参加する機会が確保されるとともに、人々が交流し、情報を伝達し、互いの感情を理解し合うために必要な手話を含む言語その他の意思疎通手段について、可能な限り選択の機会が確保され、日常生活や社会生活において円滑な意思疎通が図られることが重要である。
そのためには、障がい者にとっての多様な意思疎通手段についての県民の理解の促進や、障がい者が意思疎通手段を利用しやすい環境の整備に、県、市町村、県民等が一丸となって取り組んでいかなければならない。
このような認識に立ち、私たちは、障がい者の意思疎通手段の利用を促進し、誰もが安心して暮らすことができる共生社会を実現するため、この条例を制定する。
(令六条例三・一部改正)
(目的)
第一条 この条例は、障がい者の意思疎通手段の利用の促進について、基本理念を定め、並びに県、県民及び事業者の責務を明らかにするとともに、障がい者の意思疎通手段の利用の促進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、障がい者の意思疎通手段の利用の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって全ての県民が、障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の形成に寄与することを目的とする。
(令六条例三・一部改正)
一 障がい者 身体障がい、知的障がい、精神障がい(発達障がいを含む。)その他の心身の機能の障がい(以下「障がい」と総称する。)がある者であって、障がい及び社会的障壁(障がいがある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。)により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。
二 意思疎通手段 言語(手話を含む。)、点字、音訳、代筆、筆談、指文字、要約筆記、字幕、触覚を使った意思疎通、代読、実物及び絵図の提示、身振り、手振り、表情、コミュニケーションボード、意思伝達装置その他の障がい者と他者が意思疎通を図るための障がいの特性に応じた手段をいう。
三 意思疎通支援者 手話通訳、点訳、音訳、要約筆記及び盲ろう者向け通訳・介助を行う者その他の障がい者と他者との意思疎通を支援する者をいう。
(令六条例三・一部改正)
(基本理念)
第三条 障がい者の意思疎通手段の利用の促進は、全ての県民が、障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生することが重要であるとの認識の下に、次に掲げる事項を旨として行われなければならない。
一 多様な意思疎通手段があることの理解が深められ、意思疎通手段の利用の機会の拡大が図られること。
二 県、市町村、関係機関及び関係団体が相互に連携し、及び協力すること。
(令六条例三・一部改正)
(県の責務)
第四条 県は、前条に定める障がい者の意思疎通手段の利用の促進についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、障がい者の意思疎通手段の利用の促進に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及びこれを実施するものとする。
(令六条例三・一部改正)
(県民の責務)
第五条 県民は、基本理念にのっとり、障がい者の意思疎通手段の利用の促進の必要性についての理解を深めるよう努めるとともに、県が実施する障がい者の意思疎通手段の利用の促進に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(令六条例三・一部改正)
(事業者の責務)
第六条 事業者は、基本理念にのっとり、障がい者の意思疎通手段の利用の促進の必要性についての理解を深めるよう努めるとともに、その事業活動に関し、県が実施する障がい者の意思疎通手段の利用の促進に関する施策に協力するよう努めなければならない。
2 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、障がい者が意思疎通手段を利用できるようにするための合理的な配慮をするよう努めなければならない。
(令六条例三・一部改正)
(学校等の設置者の取組)
第七条 意思疎通手段の利用を必要とする児童、生徒及び幼児等(以下「児童等」という。)が在籍する学校、保育所等(以下「学校等」という。)の設置者は、当該学校等に在籍する児童等に対する意思疎通手段についての啓発、学習の機会の確保等障がい者の意思疎通手段の利用を促進するための取組を実施するよう努めるものとする。
2 意思疎通手段の利用を必要とする児童等が在籍する学校等の設置者は、当該児童等の教育に携わる教職員に意思疎通手段に関する知識及び技能の向上のための研修を受けさせるよう努めるものとする。
3 意思疎通手段の利用を必要とする児童等が在籍する学校等の設置者は、当該児童等及びその保護者からの学校等における意思疎通手段の利用に関する相談に的確に応ずるよう努めるものとする。
(令六条例三・一部改正)
(障害者のための施策に関する基本的な計画に定める事項)
第八条 県は、障害者基本法(昭和四十五年法律第八十四号)第十一条第二項の規定により策定する障害者のための施策に関する基本的な計画に障がい者の意思疎通手段の利用の促進に関する施策の推進のために必要な事項を定めるものとする。
(令六条例三・一部改正)
(学習の機会の提供等)
第九条 県は、障がい者の意思疎通手段の利用についての県民及び事業者の理解を深めるため、学習の機会の提供、広報活動の充実等必要な措置を講ずるものとする。
2 県は、意思疎通支援者と連携し、障がい者及びその保護者への意思疎通手段についての学習の機会の提供等必要な措置を講ずるものとする。
(令六条例三・一部改正)
(意思疎通支援者等の養成)
第十条 県は、障がい者と他者との意思疎通が円滑に行われるようにするため、意思疎通支援者及びその指導者の養成のための研修の実施等必要な措置を講ずるものとする。
(令六条例三・一部改正)
(意思疎通手段を利用した情報の発信)
第十一条 県は、障がい者が円滑に県政等に関する情報を取得することができるようにするため、意思疎通手段を利用して県政等に関する情報を発信するよう努めるものとする。
(令六条例三・一部改正)
(支援)
第十二条 県は、障がい者の意思疎通手段の利用の促進に関する活動を行う県民及び事業者に対し、必要な助言及び協力その他の支援措置を講ずるものとする。
2 県は、市町村が障がい者の意思疎通手段の利用の促進に関する施策を実施する場合には、必要な助言及び協力その他の支援措置を講ずるものとする。
(令六条例三・一部改正)
(財政上の措置)
第十三条 県は、障がい者の意思疎通手段の利用の促進に関する施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(令六条例三・一部改正)
附則
この条例は、公布の日から施行する。
附則(令和六年条例第三号)抄
(施行期日)
1 この条例は、令和六年四月一日から施行する。